脳リサーチフォーラム2009

株式会社脳の学校

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講演者
(第1部)
 高嶋幸男先生 | 酒向正春先生 | 大越優美先生 | 
 福水道朗先生 | 脳機能シンポジウム |
講演者
(第2部)
 遠藤 明先生 | 加藤俊徳先生 | 教育シンポジウム |
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第1部(2月28日)

高嶋幸男先生
(第1部)

 脳発達と老化を病理からみた脳科学

 胎児から成人、そして、老化、アルツハイマー病までの脳の形の一生を約40年間、顕微鏡で観察してみると脳には、幼若であるほど、可塑性と再生能がある。胎児・新生児の低酸素性虚血性脳症や乳幼児の被虐待脳損傷の発達における脳病理と可塑性、さらに老化などの脳病理についても触れたい。
 こどもの発達は、運動性、社会性、言語性などに分析して評価される。脳には、多くの神経細胞集団があり、脳の部位の成長発達を反映している。大脳皮質の成長にも感覚野のように速いところと、高次の働きをする前頭葉のように遅いところがある。正常な脳機能は神経ネットワークで働いており、各部位の発達と共に、神経伝達路の発達を知ることは脳の発達を理解するのに大切である。
 脳の傷害は発達過程や老化のいろいろな時期に発生するが、その時期によって脳障害は異なる。成人では、傷害部位の欠落症状がでるが、こどもでは、正常な部位で代償されることがある。胎児期に大脳半球が欠損した成人で、普通に生活している方がおられる。しかし、胎児期でも運動神経を含む部分的な損傷では、先天性片麻痺となることがある。半球欠損でも、限局性傷害でも、残った脳が正常に発達すれば、知的には正常である。脳に障害を持つこどもでは、障害のない脳の部位が正常に発達するように、早期から保育や教育することが大切である。脳機能の良いところを伸ばすということが基本である。老化に到っては、まだ使っていない未熟な脳細胞をさらに育てる工夫が大事である。
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酒向正春先生
(第1部)

 リハビリテーション医療と脳科学

 脳卒中発症後1カ月以内に開始したリハビリテーション(以下、リハビリ)・プログラムは脳の可塑性により神経機能を改善させることが知られてきた。事実、脳外科手術や血栓溶解療法等の超急性期治療が終了した発症後24時間以降の最も効果ある脳卒中治療はリハビリである。
 2000年4月回復期リハビリ制度の導入は日本の脳卒中医療体制を急性期、回復期、維持期の三つの時期に分化した。脳卒中リハビリの概念は「後遺障害はリハビリ病棟へ」という消極的医療から「人間回復はリハビリ病棟へ」という積極的医療に変化した。これにより、急性期リハビリの施行が劇的に増加し、人間の治療を重視した「闘うリハビリ」が定着した。しかし、廃用症候群が日常的に生じる現状ある。
 急性期脳卒中47768例を解析すると、重度脳損傷例は11.9%であったが、27.1%にリハビリが施行されず、急性期病院を退院する発症後2-4週間に全介助を要した重症例は40.6%に至った。すなわち、脳卒中リハビリの歴史は廃用症候群との戦いであり、回復期リハビリ制度による一日3時間のリハビリ施行は、廃用症候群を生じない新しい脳卒中リハビリの扉を開いた。
 回復期リハビリによる人間回復は、発症前の身体機能、年齢、廃用症候群の程度、そして、脳損傷の画像診断により、その機能予測と実現が可能となった。 90歳を越える脳卒中患者が独居での自宅退院を可能とするまでに進歩した回復期リハビリの現状を解説する。
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大越優美先生
(第1部)

 子どもの医療における脳の可塑性

障害をうけた脳は回復しないのでしょうか。重い脳障害で寝たきりになった方は本当に寝たきりなのでしょうか。私達は毎日の臨床の現場で、たとえ障害をうけた脳であっても回復してくる過程や、一見寝たきりにみえる方たちの脳が、実際はどんなにダイナミックに変化しているかを体験してきました。特に、こどもの脳は発達途上にあり、その変化は目を見張るものがあります。今回、脳リサーチフォーラム2009で、こどもの脳の可塑性について、皆様と共に考えてゆきたいと思います。
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福水道郎先生
(第1部)

 脳形態学ガイダンス

病理学は病気における組織細胞の形態変化を観察することにより発展してきた学問です。病理検査では生検や手術などでとられた組織を顕微鏡で検査をして病理診断を行います。病理診断は臨床的な診断を行う上で大変重要なもので、テレビドラマや小説でも目にするように、特に良性・悪性を決める場合等には最終的な診断となります。その中で脳、脊髄、末梢神経等が神経病理学の対象です。神経病理学も医学の進歩とともに変化してきており、従来よりある臨床神経病理学に加え、最近は分子神経病理学が欠かせないものとなってきました。前者はヒトの神経系を病理組織学的に検討することにより、様々な神経疾患の病態、成因などを明らかにするもので、詳細な臨床データとの対比を通し、臨床の現場における診断の精度、治療法の選択などに対する有益な情報を提供します。後者は神経難病の動物モデル等も用いて、遺伝子レベルでの機能解析を行い、その発症機序を明らかにするとともに、得られた所見に基づく遺伝子療法などの先進的な治療法を開発するためのものです。今回は高嶋先生のご講演のイントロダクションということでお引き受けしましたが、私は神経病理学の専門家ではないため、ご講演がわかりやすくなるような知識をお話しようと試みます。
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シンポジウム
(第2部)

 酸素の使い方から見る脳のはたらき
 酸素脳機能イメージングの原理と応用
 ~酸素計測の脳ハウと
  作業療法・教育・工学分野からの示唆~

 生きた脳のはたらきを見る方法には脳波、MEG、fMRI、NIRSなどたくさんあります。このシンポジウムでは、代表的な脳機能イメージング手法の基礎と問題点に触れつつ、それらの課題がどのように解決されつつあるのか、著名な研究を引用しながら話を展開します。脳機能イメージング研究のストーリーを追いながら、現在の研究レベルの正しい共通認識を得られます。
 これらの一般的な話題に加え、さらに脳のはたらきを詳細に見る「酸素脳イメージング」を紹介します。これまで難しいと思われていた「はたらきを見る」計測法の原理・計測法と応用について登壇者の専門的立場から話題を提供します。

第2部(3月1日)

遠藤明先生
(第2部)

 健康寿命を延ばす生活習慣 version 3

1. なぜ“健康でなくてはならなくなった”のか
 日本は人類史上初めて「超」高齢化社会を迎えました。国の医療費増加の大部分を老人医療費の増加が占めています。これは何を意味しているでしょうか。今後いっそう高齢化社会が進む日本において今以上に国の医療保障は望めない、ということです。不健康な生活習慣から病気になり高度の医療を受けることは、これからの日本において自分で高額の医療費を支払うのみでなく、家族の負担を増やし、税金を介して多数の高齢者が少数の若い世代の収入を奪うことでもあります。
2. すべての病気は生活習慣からおこる
 自分の健康は自分で守らなくてはならない時代が来ました。医師の多くは病気のことをよく知っていますが、意外なことに健康のことを知らないことが多いのです。重要なことは病気にならない生活習慣を注意深く選択し維持すること、病気を経験した人は自分の生活習慣のどこに問題があったかを検討し適正に変えていくことです。食事、運動はもちろんのこと、ストレスに対する精神のコントロ-ルと充分な睡眠が重要です。
 以上、新しい考え方に基づいた病気の予防法といつまでも若々しく健康に長生きするための方法について解説します。
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加藤俊徳先生
(第2部)

 脳番地トレーニングの意味と脳ハウ

1.二十二世紀の脳社会はこうなる!
セルフ・ブレイン・デザイン(Self-Brain Design)という言葉をご存知ですか。自分で自分の脳をデザインするという脳の学校が二十二世紀の人類社会に向かって提案する新しい人生の過ごし方です。拙著「『脳番地』を強くする」で初めて提案されました。あなたの脳の形は、両親から与えられたDNAだけでは決まりません。人生経験によって決まります。人生における時間の過ごし方や何にどのように取り組むかによって決まります。遺伝子は、神経細胞という形で準備された出発点に過ぎなかったのです。では、どのように、セルフ・ブレイン・デザインを実践していけばよいのか?その脳ハウを紹介させていただきます。

2.脳を成長させる人が一番長く人生を生きる
「脳は時間を越えることができるのか?」これは、私の長年の研究テーマのひとつでした。最近ようやくその手がかりが見つかりました。「人間は一本の樹木を脳として持ち育てる生命体である」と気がついたからです。一人一人の樹木の形は、「脳の枝ぶり」として形が異なっています。それが、脳個性の本質です。そこで、脳の成長を時間として扱うと、脳が成長すればするほど、脳が長く時間を過ごしたことになります。すなわち、脳番地ごとの成長段階が進んでいる人ほどより長い時間を過ごしていることになります。

3.「迂回脳」と「直線脳」あなたは、自分をどっちに向かって鍛えているのか?
脳番地の育て方には、大きく分けて2つあります。「迂回脳」を目指すか?「直線脳」を目指すか? どちらかです。直線脳は、素早く何でも早く答えを見出す秀才型かもしれません。迂回脳は、あれこれと遠回りをして答えにとどく、どんくさい優柔不断型かもしれません。では、どちらが天才型に近い脳でしょうか?答えは、講演にて解説します。
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シンポジウム
(第2部)

 脳番地を伸ばす教育の脳ハウ
 ~MRI脳画像を通してみる胎児・健常児・障害児の
  成長と脳環境~

趣旨
現在の教育は21世紀を担う子どもたちの成長をサポートする重要な役割があります。本座談会は、子どもの脳の成長をテーマに据え、特にMRI画像から子どもの成長を考えるというこれまでにない新しい試みに挑戦し、21世紀に求められる子どもや家庭の脳環境について考えます。話題提供のゲストをお招きし、教育行政・医学・マスメディアから各界の状況などを解説していただきます。脳を中心にして子どもの誕生から学校教育や家庭教育まで幅広く捉え、子どもの成長の新しい捉え方や、科学的根拠に基づいた新しい子どもの成長環境の見方について提案する予定です。

○高木健次郎医師(埼玉医科大学総合医療センター産婦人科)
「MRI画像による胎児期の脳形成過程の評価」
産科領域では、古くは子宮の中の情報を得ることができずblack boxと考えられていた。その後、超音波診断装置が現れ、数多くの胎児情報が得られるようになり、現在も胎児診断の基本検査となっている。私自身も超音波検査を施行し多くの異常を診断してきたが、最近、MRIによる胎児画像をみる機会が著しく増加した。しかしながら多くの産科医師は未だに超音波診断のback up検査としか考えておらず、MRIでしか判らない多くの情報を見逃している。そこで私達はMRI画像により胎児の脳溝、脳回の形成過程を評価し、胎児期からの脳の生育について検討した結果について解説する。

○中村 亮氏(プレジデント社プ レジデントファミリー編集部)
月刊誌「プレジデントファミリー」の読者である小中学生の保護者の間で、子どもたちの脳の成長についての関心が高まっています。学校のテストの成績と脳の間にはどんな関係があるか、わが子の隠れた才能を見抜く方法はあるのか―。
 本誌は脳の学校と協力して、子どもの長所を伸ばし弱点を克服する方法と隠れた素質を見抜くための秘訣をMRI画像を使って明らかにしようと試みました。実際に「MRI勉強法」によって子どもの枝ぶりが伸びた事例を紹介します。
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 当社、脳の学校は、病院ではなく、患者様への診療行為は行っていませんが、健常人でも脳の成長を生涯にわたって促し、たとえ病気をかかえた脳であっても、得意な脳番地を探して脳成長の支援をしております。また、すべてを脳からみて生きる価値、新しい人生観を創造し、脳文化の創造と商品開発サービスを事業としています。

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